アラサー女の海外迷走日記

OLやめてアメリカで勉強し直すことに決めた、アラサー女のいろいろ。武士のごとく、後ろには倒れません。

【アメリカの郵便事情】アメリカの郵便局、USPSに荷物を紛失された話

こんにちは。

 

前回の記事、アメリカに来て3週間で家出した話では大の大人が恥ずかしげもなく老夫婦と喧嘩した話をご紹介しましたが、なんとか無事に引っ越しを終えて新しいホストファミリー宅での生活が始まり、数週間が経ってからの出来事です。

 

安住の地を手に入れ、シアトルの冬も終わり急に暖かな気候になったため、冬服しか持たずにやってきた私は着るものがなさすぎて途方に暮れておりました。

 

いきなりで恐縮なのですが、アメリカの服って、クソださいんですよ。

なんていうかこう…すっごい綺麗な人やイケメンでもクッタクタのTシャツに短パンとか。おまけに坂、雨の多いシアトルではヒールを履いている人も全然いない。

 

日本は毎日ヒール履いて、パンツよりスカート派だった私。

男にウケることしか考えていない最強モテ雑誌こと美人百花なんかを

「かわいい~こんな服こんな可愛い人が着てたらもう向かうところ敵なしじゃんか~ずるいずるい~」

なんて思いながら読んだり、はたまたFUDGEみたいな誰にも媚びることのない超個性のかたまりみたいなオシャレ雑誌を読んでは

「そもそも外国人モデルじゃ足の位置違いすぎだよ~ニット3万ってどういうこと~でも可愛い~」

なんて言いながら読んだり、とにかく昔からいろんなジャンルの雑誌を読み漁りながら昨今のトレンドにつっこみを入れるのが大好きなのです。

 

でも、シアトル。

 

寒い時はみんなThe North Faceのマウンテンパーカー。

 

暑い時はNikeのTシャツにスニーカー、OLD NAVYの短パン、おわり。

 

えっ?

おわり????

 

なんていうかこう、良く言えばシンプル。悪く言えばこだわりがないんですよ。

 

だいたいスタイルの良い外国人はシンプルな格好をしていても様になりますが、私のように足の短いやつがTシャツ短パンでまとめたところで、せいぜい

「なにコンビニでも行くの?ていうかパジャマじゃん」

みたいな仕上がり。

 

また身長が156㎝と決して高くない、むしろ低い私にとってはヒールがないというのは自分の中では結構な死活問題。たまにカジュアルな格好はするものの、スニーカーなんて2~3足くらいしか持っていませんでした。

 

それでもアメリカに来たからには馴染む努力をせんと!と思い、自分で調べたりお友達に聞いたりして洋服屋さんへ行ってみることに。

 

まず、可愛い!と思って手に取ってみたら、背中がザックリ開いている。

あと生地がスッケスケ。なにこのへそ出し。

ただでさえお腹ゆるゆるなのに冷えちゃう。

 

さらにForever 21やGAPなんかの見たことある系、入ったことある系のお店にも行ってみましたが、床に服は落ちているし襟には何者かのファンデーションがべっとり。

 

アメリカのいう自由ってこういうことなのか?と思います。

 

仕方がないので、それでも適当に「これならいけるやろ」と思われる服をいくつか買って、しかしやっぱりサイズ感が合わなかったり、なにこれだっさ!!!と自分で自分につっこんでしまうものもたくさんあり、仕方がないので母に頼んで日本から夏服やらカバンやら靴やらを送ってもらうことにしました。

 

前置きが長くなりましたがここからが本題です。

 

日本からアメリカへ郵便を送ってもらうにはいくつか方法がありますが、一番確実だと言われているのが日本郵便のEMS(国際スピード郵便)というサービスを利用した手段です。

 

指定のラベルに必要事項を記入し、荷物と一緒に郵便局へ持ち込むだけ。

場所にもよりますが日本→シアトル(北米)向けの場合、早ければ4日程度で届き、トラッキングナンバーもついているため追跡も可能というものです。

その代わり、船便やその他の航空便よりも多少高くつくのですが、以前自分でも使用したことがあるのと、前のホストファミリー宛にも母から荷物を送ってもらい一週間以内で無事に届いた経緯があったので(マザーが受け取ってくれたけど、重いわね!ぷんすか!って言われた)

一番手軽かつ信頼のおけるサービスというふうに認識しておりました。

 

ちなみに船便は友人から

「なくなってもいい物なら船便も使えるよ」

という話を聞いたことがあります。

なくなってもいい物ってなんだよ。お金払ってゴミ送るやつがどこにいるんだ。

 

ひとまず住所も定まったことですし、私は母とLINE通話で実家のタンスに入っている夏服やらカバン、シューズラックにある靴やらサンダル、はたまた水着や薬などをああでもない、こうでもないと言いながら段ボールいっぱいに詰めてもらい、送ってもらうことに。

 

母は梱包済の荷物を持って郵便局へ。

 

ラベルの控えの写真を送ってもらい、早速トラッキングナンバーを郵便局のサイトで入力し、国際郵便局受付完了になっているのを確認し、あとは届くのを待つだけ。

 

一日、二日、一週間を過ぎたところで、荷物がサンフランシスコの税関で検査を受けて以来、ぱったりと動きがなくなってしまいました。

 

実は前職が某物流企業だったこともあり、国際輸送の流れや税関で検査対象になった時の対応等はある程度心得ておりました。

 

それでも、もしかしたら時間がかかっているのかも…と思い待ち続けること二週間。

未だにサンフランシスコのディストリビューションセンター預かりということになっている。

 

…おかしい。

 

何かがおかしい。

 

改めて母から送ってもらったラベルの控えを見てみる。

名前も、宛先住所も合っている。

 

…と、よく見ると内容品のところに

 

「Drug(Headache Medicine)」と書いてあることに気が付きました。

 

 

Drugて

 

お母さん

 

それ麻薬

 

すぐに母へ連絡。

 

どうやら、日本から送ってもらった風邪薬のことをそのように記載したというのです。

 

完全にアウト。届かないわけだよ。

 

しかし、ホストファミリーやアメリカ人の知人・友人へも聞いてみると

「うーんたしかに怪しさはにじみ出てるかもしれないけど、Medicineとも書いてあるわけだし意味は分かるでしょう…大丈夫じゃないかな?」

とのこと。私もそう信じたいよ。

 

しかし仕事柄といいますか、経験上、一度怪しまれたものはかなり時間がかかるもしくは厄介なケースに分類されてしまうことはよく理解しております。

 

これ多分届かないやつだ…!!

 

そう思った私は授業が終わった後、急いでシアトル市内の郵便局へ。

 

事情を説明し、トラッキングナンバーを見せる私。

 

郵便局員

「話は分かったけど、あなたが住んでいるのはシアトルではなく隣の市だから、ZIPコード(日本でいうところの郵便番号)が違うため対応できない。隣の市の郵便局へ行く必要がある」

 

「分かりましたありがとうございました」

 

分かりましたといいつつ本当は

「なにそれそんなことある?郵便局ってワールドワイドなお仕事してるんじゃないの?よく分からないよ」

と思いつつ帰路を急ぐ私。

 

そして住んでいる市の郵便局までバスを乗り継ぎ、到着。

 

そこでも事情を説明する私。

 

「…ってシアトルで言われてここに来ました。日本を出発してから2週間以上、荷物が届かないどころか何の情報も上がってこないのは何かあったのではと不安です。スーパーバイザーと話をさせてください」

 

郵便局員

「ついこの前、国際郵便の窓口をここから約2キロ離れた別の郵便局に移したのでここにスーパーバイザーはいない。そっちに行って聞いてみてください」

 

「ここで何かしらの情報を調べてもらうことはできませんか?」

 

郵便局員

「むり。」

 

出たよ、たらい回し。

完全にナメられている。

 

それでも母が働きながらも忙しい合間を縫って送ってくれた荷物、なによりOL時代にLUMINEやマルイで買った決して安くない服…あきらめられるわけがない!!!

 

仕方がないのでもりもり歩きました。2キロ。

今でこそちゃっかりマイカーを所持しているものの、当時は車などなく(車のくだりについてはまた今度)

しかしUberなんて使いません。2キロくらいなら歩きますよ。

 

やっと着いた3か所目の郵便局でスーパーバイザーと感動のご対面。

 

もう一度同じ話を、英語で説明。

正直めんどくさいと思いつつも、そんなことは言っていられません。

 

スーパーバイザー

「今システム見てるけど、サンフランシスコにあることになっている」

 

「それは知ってます。本来2週間もかかるはずない。これはExpressだから、通常より高い料金を払って手配している。サンフランシスコの人に聞いてみてもらえませんか」

 

スーパーバイザー

「むり。もし音沙汰がないということならば、紛失の可能性が高い。カスタマーセンターに電話して、リファンド(料金の払い戻し)か賠償を請求するしかない」

 

「…わかりましたもういいです」

 

泣いた。

アメリカに来て初めてというくらい、めちゃめちゃ泣きました。

ホームシックでもなく、学校がつらいとかでもなく、荷物をなくされて泣きました。

 

それまで私はいろいろなコミュニティへ顔を出してきたつもりで、そこで出会う方々はみんな親切に私の話に耳を傾けてくれていたんですね。

でもいざ一人でなにか解決しようと思ったら、全然何もできない。

 

日本で一人前に働いてきたつもりで、自立した気でいたつもりが一気に崩れ落ちました。リアルに膝から。

 

それから前職との関わりも深い、国際輸送というものを分かったような気でいたというのもあると思います。

だから解決できるし、なんとかなると思っていました。

 

しかし実際なんともできませんでした。

 

しかししかし、あきらめたくありません。

 

そこで私はまたしても方向転換を図ります。

 

ここからは一人で頑張るのではなく、誰かに協力しまくってもらおう…!

 

すぐに、近くに住んでいるホストグランマに相談。

 

ちなみにこのホストグランマ、シアトルのとあるコミュニティではわりと有名な方で、めちゃくちゃ声がデカいんです。あと体も。

 

ホストグランマ

「なんて話だ…!ひどすぎる!!日本から高いお金を払ってせっかく送ってもらった荷物、あきらめるべきではない。私が一緒に郵便局行ったる」

 

今度はホストグランマと一緒に、例のスーパーバイザーのところへ。

 

ホストグランマ

「おいお前スーパーバイザーやろ。うちのちゃんあやに何してくれてるんや。バスを乗り継いで、ここまでやってきて、どれだけつらい思いをしたと思っている。万が一なくしたなら賠償請求する方法教えろ。あとバス代よこせ」

 

グランマ、めちゃめちゃ嬉しいけどバス代よこせはちょっと無理があるんじゃないかな?と思いつつ私

「そうだそうだ!!私の荷物を返せ!!」

 

スーパーバイザー

「私にもどうなっているのかわかりません。届かないということであればUSPSのサイドからリファンド申請のページへ行き、荷姿、内容物、金額などすべて記載して送ってください」

 

ホストグランマ

「…それをやればいいのね。あなた全然役に立たないからもういいわ」

 

らちが明かないので、今度はホストグランマが長年懇意にしている、地元の郵便局勤続何十年のハイパーベテランおばあちゃんの勤める郵便局へ行くことに。

 

ハイパーベテランおばあちゃん

「システムダウンしてて見れない。明日以降もう一回来てもらえたら調べてみます」

 

なにこれどんなダンジョン?と思いつつ、めげずにその次の週もう一度チャレンジwithホストグランマ。

 

ハイパーおばあちゃん

「〇〇〇ー〇〇〇〇(市内の郵便局の国際郵便係の電話番号)ここに電話して聞いてみる。その後そいつから折り返しさせるわ。」

 

私・ホストグランマ

「ありがとう…!!!」

 

何時間か後に、国際郵便係から電話がかかってきました。

 

国際郵便係

「〇〇〇ー〇〇〇〇(国際郵便貨物紛失・払い戻し担当窓口につながる自動音声)こちらにもう一度電話してみてください」

 

まじで、ガチで、本当に、怒ったよ。

 

もうここまで書けばよく分かると思うのですが、アメリカの郵便局USPSって本当に仕事ができないんですね。

 

しかし、仕事ができなくても問題ないんです。

なぜなら民間企業ではなく国営企業だから。

 

要は顧客からのイメージを大切に(時には異常に)気にするアメリカの一般企業とは違い、国に守られているため、めちゃくちゃに郵便事情が悪くても大丈夫なんです。多分潰れない。

全然大丈夫じゃないでしょと思いますが、腹が立って仕方ないですが、そういうことなんですよ。

 

とあるアメリカ人の知人は

「出したハガキが3か月後ボロッボロになって手元に返ってきた。USPSはそういう会社だ」

と言っていました。どんだけ。

 

とにかく仕方なくその番号とやらに電話をかけてみる。

 

そこで新たな問題。

 

トラッキングナンバーを、聞き取ってもらえない…!!!

 

私の発音が悪いのか、自動音声がNとかMとか、聞き取ってくれないのです。

(この後アメリカ人の友達やホストファザーが電話をかけるのを手伝ってくれたのですが、それも聞き取ってなかった。本当に何なんだ。)

 

しかも、やっと聞き取ってもらえたと思ったら、その後オペレーターにつながるまで地獄の3時間待ち。

ちょっとやそっとのことではめげない私も、ついに発狂するかと思いました。

 

しかし心優しいアメリカ人の友人が、地獄の自動音声にもう一度一緒にチャレンジしてくれることに。

 

今度は待つこと1時間弱、比較的早くオペレーターへつながりました。

ていうか1時間半は別に早くない。もはや麻痺している。

 

「…というわけで、荷物が届かないので調べてください」

 

オペ

「わかりました。調査の上、国際貨物の担当者からこの番号へ折り返しご連絡いたします」

 

やっとまともな人でてきた~よかった~と思いつつ電話を切り、数時間後に担当者とやらから電話がかかってきました。

 

担当者

「We need to apologize to you that we think we lost your package.」

 

 

結論:見つからない

 

 

はい。なくしたそうです。

ということで、最終的には

USPSから日本郵便へ紛失の旨を報告

→日本サイドで日本郵便に対して損害賠償の手続きを取る

ということで決着がつきました。

何度も何度も郵便局へ行き、電話をかけ、請求フォームを送り、アメリカ側でできることは全てやった結果です。

ちなみにこの少し後には、トラッキングナンバーをUSPSのサイトで入力しても情報が表示されることはなくなりました。要は貨物情報が削除されました。

だから、どんだけ。

 

EMSについては、いろいろな情報をネットで調べました。

 

日本郵便のEMSなら確実!

トラッキングナンバーがあるから紛失はしない!

必ず見つかるはず!

 

という声ばかりだったので私も望みを託していましたが、なくなるときはなくなります。普通に。

 

日本郵便の担当者からは、改めて謝罪と賠償請求の金額が後日振り込まれました。

ちなみにこの賠償金額、送料+自分でラベルに書いた金額が返ってきます。

ラベルに10万とか20万とか書いてしまうと高額貨物と見なされ届かない可能性がある、というのを聞いたことがあったのでかなり少なく見積もった金額を記載しました。

入っていた荷物はスカートだけで一着1万はするものが何着か、それがTシャツ、靴、カバン、全部です。かなり痛い。涙出るわ。

 

ていうか金額を少なく書いたところで届かないどころか、私のケースのように全然賠償金額が足りないということになりかねません。

じゃあ一体どうしたらいいんですか。答えはありません。

 

日本郵便からは

「もしかすると何か月後、忘れた頃に船便で送り返される可能性もなくはない」

 

と謎のフォロー(?)も頂きましたが、いまだ行方不明のまま。

船便ってあれじゃん、ゴミしか届かないやつじゃんと思いながら、あの段ボールの中に入っていたものは全て寄付したんだ。もしくは太平洋に撒いた。

そう考えることにしました。

 

まとめると以下の通り

  • 日本郵便のサービスは優秀
  • しかしEMSはアメリカに渡った瞬間USPSの管轄になる
  • トラッキングナンバーがあっても油断はするな
  • アメリカの郵便事情はとにかく最悪
  • アメリカの服はダサい
  • 船便にはゴミしか載せるな
  • あと薬はDrugじゃなくてMedicine
  • そして何より最後まであきらめない、使える手は全部使う

 

皆さんも海外、特にアメリカへ荷物を送る際は十分気を付けましょう。

私のように、大切な思い出の詰まった洋服やら日本から心のこもった仕送りをなくしてつらい思いをする人が、これ以上いませんように。

今となっては笑い話ですが、当時はUSPSの配達車を見るたび、遠い目をしたものです。頭の中で何度も倒産させましたからね。

 

ちなみに今はもうどうでもよくなったので、適当なTシャツやらネルシャツにデニムばっかり着ています。たまにワンピースやスカートを着て正気を保っていますが、あとは寒くなったら上からパーカーを羽織るだけです。

アメリカ(シアトル)のファッションについてはまた今度、詳しくお話したいです。いかにダサいかを力説したいと思います。

 

おわりー!