【海外に住む】アメリカ西海岸に一年半住んでみて感じること
こんにちは。
先日、アメリカに行ったら20年来の親友を失った話というエントリーを投下し、爆裂に思いの丈を語った私。
すると思っていた以上にいろいろな方、それこそ普段仲良くしている友人から一度もお会いしたことのない方までもが、記事についての感想を送ってくださったり、共感したという話をしてくれました。
あれから親友からは連絡もなく、そしてこちらからすることもなく(いかんせんブロックされたままだ。アーメン)相変わらず状況に変化はないのですが
「実は自分も似たような経験をして…」とか
「私が頑張ってきた結果がこれであったとしても、自分を責める必要はない」とか
ただ気持ちの整理がしたくて、前に進みたかったのと同じような経験をした人の参考になったら…くらいに思っていた私の方が読んでくれた方々にめちゃめちゃ励まされるという事態が起き、なんていうかブログやっててよかったなあ。書いてよかったなあ。と思いました。
起きた出来事自体はよくないんですよ、多分。でも今回、気がついたことが本当にたくさんありました。当たり前だけどみんないろいろな思いを抱えながら、それぞれいろいろなことと戦いながら毎日生きていて、そうやって頑張っている人を見ると改めて私もがんばろうと思えます。
読んでくださった方、声をかけてくれた方、改めて本当にありがとうございます。
話は変わり。
私は今、アメリカはシアトルに住んでおります。
日本で6年弱の社会人経験をした後、会社を退職してアメリカのカレッジに通い、現在はOPTという期間限定で企業で働ける制度を利用しとある会社で働いているのですが、まだまだできないことがいっぱいな日々。
そこで今日は私がこれまで約一年半、アメリカで生活してみて、働いてみて、感じたことや心がけていることを書きます。
ちなみに勘違いしないでほしいのですが、これから書くことはあくまでも個人的主観に基づいた話です。アメリカが良い、悪い、またはそうでない日本が良い、悪いなどという話ではありません。
みんな違ってみんないい、ということでひとつよろしくね!
- ①心身ともにタフであれ
- ②声に出せ
- ③「え、ウケる」で乗り切れ
- ④自分の意志決定に責任を持て
- ⑤保証がない分、自分で切り開け
- ⑥チャンスがいっぱい、でもリスクもいっぱい
- ⑦物価が(日本に比べて)高い
- ⑧でもお給料も高い
- ⑨道がボロボロ
- ⑩ハッピーであれ
- まとめ
①心身ともにタフであれ
いきなりの精神論。
が、これはアメリカで生きる上でとっても重要なことだと感じています。
まず、自助努力の精神が根付いており、わからないことや困ったことがあっても黙っていたり、うろたえていると
「で?何に困っているの?おいおい、わからんちんだな~きみは」
と思われてしまいます。
何につけても言わなきゃ相手に伝わらないということにストレスを感じることもないといえばウソになりますが、まぁそういう社会なのでとにかく適応するには何でも言ってみよ~と思い早一年半が経過しました。
そういう中で生活していることで日本人特有の謙虚さや控えめな部分が自分から失われていくのではと危惧したこともありましたが、そこまで海外にかぶれるほどアメリカンスタイルを取り入れているわけではないので(というかアメリカ人にはなりたくないしなりたくてもなれない)大丈夫です、ご安心ください。
…話をもとに戻す。
それから医療費。
これがめちゃめちゃに高く、病院ひとつかかるのにもとてもハードルが高い。
風邪をひいたとしてもドラッグストアで購入した薬でも飲んで寝ろ→おしまい
といった具合で、病院は
「よっぽどのことが起きて行く場所」というイメージがあります(そのかわり、大体の薬は薬局で購入することが可能)
余談ですが、友人がとある検診をアメリカで受けたのですが、請求額は諸々込みで計20万円でした。
ちなみに同じ内容の検診を日本で受けた場合、かかる金額はおよそ2万円以下。
これ、どっちも保険適用後の話ですよ。
とんでもねーなって思いますよね。
というわけで、日本で生活しているとき以上に日頃から心と体を強く保っている必要があります。健康でないと普通以上の暮らしができない国、それがアメリカ。
②声に出せ
①でもちらっと書きましたが、日本のように察してあげる文化がないので、困ったことがあったりピンチの際には「私は困っている」と声を上げる必要がありますね。
さっきから松岡修造かなと思いますが、これが現実です。声出していこう。
③「え、ウケる」で乗り切れ
これは私が常日頃から心がけていることなのですが、予期せぬ出来事や予想を上回る反応の人々とエンカウントした場合、いったん「え、ウケる」で処理する。
…日本で生活していて出会う人って、外国人に人気の観光地でもない限り、ほぼだいたいの人が日本語を話す日本人だと思います。
対してアメリカ、まず見た目でアメリカ人かどうかが分からない。
そもそもアメリカ人って言っても、肌が白かったり黒かったり目が大きい人もいれば小さい人もいて、明確な「アメリカ人」という見た目の基準がない。
見た目がアジア系でも、アメリカ生まれアメリカ育ちならアメリカ人です。
さらに見た目だけでなく英語のアクセントも異なり「何言ってんだかわからない人」というのに高確率で出くわす。もしかしたら私自身も出会う人々にそう思われているかもしれない。こいつ何いってんだっていう顔をされるし、する。
みんな違うという前提は、必然的に
「自分がこれまで普通だと思ってきたことが通用しない」
ということにつながります。
で、そういう時にいちいち怒ったり「普通はこうじゃない?」と思っても意味ないんです。日本で生活しているとき以上に「普通の基準」が人それぞれ違うから。
そういうわけで私は自分の理解を超える出来事が起きたとき、とりあえず
「え、ウケる」
と思うようにしています。
なにそれあたらしいウケる。
これでだいたいのことは乗り切れます。いちいち落ち込まない。
根本的な解決になっていないんじゃないかという意見は受け付けません。
④自分の意志決定に責任を持て
よくアメリカ人は自己主張が強いだとか自己中心的だと批判する声も聞きますが、まぁだいたい合っていると思います。というか正しく言えば
「自分の意志を表示する、自分で決める」
という考え方が根底にあると思います。
私は現在、日々高騰する家賃による出費を抑えるため、とあるアメリカ人の一般家庭にホームステイという形でお邪魔をしているのですが、お家には思春期真っただ中のティーンエイジャーが一人と、小学校を卒業したばかりの男の子の計2人の息子がいます。
彼らがしょっちゅう言っているのは
「I said I don't wanna do that!!!!!」
「No I wanna make it, please」
などなど、ざっくりいうと
「あれをしたい」「これはしたくない」
という意思表示がとっても強めなのです。
15歳とかそこらにして、すでにそんな感じですよ。
時折「それはただのわがままなのでは…」
と思う場面ももちろんありますが、それを聞いた両親も
「Okay, then you have to do it by yourself」「You need to do that」
なんて返したりしています。じゃ自分でなんとかしなさいっていう。
自分がそうしたいと思うならそうすればいいし、そうしたくないならそうしないリスクも負う。そういう考え方はつまるところ「自分の意志に責任を持つ」というところにつながるのではないかと思います。
⑤保証がない分、自分で切り開け
④の話とつながりますが、なぜそんなにもうっとうしいくらい自分自分!俺が俺が私が私が~!となるのかと考えた時、やはり社会的な保障が少ないからなのではないかと思います。
アメリカの社会って一見陽気で、日本と比べてストレスフリーに見えがちだと思います。イージーゴーイングな人も確かに多いし、おおらかな印象も間違いではないと思います。でもその一方ですさまじい格差も広がっている。
アメリカ社会の根底には、自分で自分の意志を強く持ち、選択し、意志表示していかないと「思い描く未来」的なものを手にできないというシビアさがあると感じます。
だからある程度の収入がある家庭では親も教育熱心な印象を受けます。
私のお世話になっている家庭でも
「宿題やったか」「テストの結果はどうだったか」「勉強してないなら遊びに行くな」なんて会話しょっちゅうしてます。
親に一切「勉強しなさい」と言われることなく育った私としては
「そんなに聞いたら逆効果なのでは…」
「逆にやる気削いでしまうのでは…ほら喧嘩してるじゃん~」
と言いたくなってしまうほど。
とはいえ私の住んでいる地域は比較的収入が高く(=教育にかけるお金も増える)地価も高い、治安も良いとされる場所なので、そのくらいが普通なのかもしれません。
具合が悪くなって運ばれたけど救急車代やら治療費が払えなくてホームレスになっちゃうなんていう、嘘みたいな話が普通に存在する。で、そうならないためにもできるだけ良い学校に入ってより良い仕事に就き、良いパートナーを見つけ、早めにリタイアする。
ザ・理想。
競争原理の強い社会で生きていかなくてはいけないということは、必然的に個人が強くなることを求められるのではないでしょうか。
「ナショナルジオグラフィック・残酷の王国」みたいな話になってきました。
⑥チャンスがいっぱい、でもリスクもいっぱい
私が働いている会社では数か月ごとに評価という名目で面談が開催されます。
その際にいつも聞かれることが
「やりたいことができていますか?」
ということです。要は
「やりたいことができていないのなら、今後できるようにするためにはどうしたらいいのか、今やっていること以上になにかできることはあるか、もしあるなら言ってほしいし、ないならお互いの契約を見直しましょう」
ということらしいです。
アメリカの契約は労働に関しては都度更新、都度見直しだからと上司の上司に言われましたが、悪くない制度だと思います。
しかし、こちらが
「他の仕事がしたいので辞めます」
というのも2週間前といえばチャンスが無限大!な気もする一方で
「もう来なくていいですよん~」
と言われるのも2週間前に起こりうるというのはやっぱりリスクでもあります。
転職を繰り返すことに対する抵抗やハードルが低いのはチャンスが目の前に広がっていることを示す一方で、裏を返せばそれだけの人が自ら仕事を辞めている、もしくは意図せずに仕事を辞める(=クビになっている)ということです。怖いですね。
⑦物価が(日本に比べて)高い
高いというか、少なくとも私の住むシアトルでは上がり続けている。
そして
「うわ~この値段でこの程度のサービス。それでいてチップも要求するって何事だよ」
と思わされることの多さ。
これは私がOMOTENASHI大国・日本で育ったからこそ、そう思ってしまうんでしょう。しかし。
「少ないお金でより質の高いサービスを提供している」
のが日本だとしたら、裏を返せば
「少ない労力でより効率よくお金を回収できている」
のがアメリカだという見方もできます。
日本のマルイとかルミネに入っている和食のお店で夜ご飯を食べたとしましょう。
栄養バランスの取れたご飯が高くてもせいぜい2000円くらいで食べることができて、食後のお茶まで無料で出てくるのに対し、アメリカでディナーをしたら肉の塊に申し訳程度のサラダみたいな葉っぱがくっついてきて、お酒も飲んでいないのに30ドル+チップ5ドルくらい取られることしばしば。下手したらランチで20ドル飛んでいくことだってある。
でもそれって、後者の方が国単位で見た時には経済回ってますよね。
働いている側も少ないお金で動かされていないからスマイル0円とかもないかわりにサービス疲れすることもない。
効率いいんですよね、雑だけど。
…でもここまで書いてて気づいちゃったんですよね。
私のブログを読んでいる方なら、分かってくれるはず(なにを)
思い出しちゃったんですよね、あの存在。
そう、日高屋。
日高屋ではラーメンと餃子とチャーハンのトリプルコンボでおなじみのラ餃チャセットにレモンサワーまでつけても1000円に満たないんですよ。
なんて、太字にすることに意味を感じる響きなんだろう。字が躍るようにすら感じる。
そりゃあ店内には昼間っから飲んだくれている住所不定の人とか安い飯と酒を片手に仕事の愚痴ばっかり言っているサラリーマンとかいるけど、それすら風情。
基本的にそういうのでいいんですよ、ほんとに。
日高屋という安い早いうまい適度な距離感(めちゃめちゃ汚い日高屋も中にはあるけど、アメリカの寂れたゴッサムレストランよりは100倍まし)の最強スペックチェーンを思い出してしまった今となっては、物価が高くてサービスも雑なアメリカの立場なし。そろそろシアトルに日高屋か天下一品作った方がいい。以上。
⑧でもお給料も高い
スーパー物価が高くて日高屋も天下一品もなくてイライラする一方で、能力次第で新卒で1000万とか稼げちゃったりする人もいて、つまりアメリカでは物価が高くてもハイスペックでお給料も高ければ余裕で生活できるんですよね。というか、だからみんな「自分にできる範囲のハイスペック」を目指すのでしょうか。よりよい生活を送るために。
⑨道がボロボロ
これは普段私が車を運転しているからこそ感じることなのですが
アメリカの道路、穴あきすぎ。
車体がどっかんと揺れるようなレベルの穴が平気であいているし、動物の死体や金属片なんかもしょっちゅう転がっています。
そういうものを避けて運転するようにしていますが、それでも一度フリーウェイ(高速道路)を走っている時にタイヤに釘がぶっ刺さってパンクしてディーラーに駆け込んだことがあります。死ぬかと思った。
シアトルはAmazonやボーイングといった大企業のお膝元であり税収だって高いはずなのに、そのお金をどうして公共事業にもっと充てないのだろうかというのが、かなり前からある私の素朴な疑問です。どこに行っているんだろうか、私たちが払っているお金。教えてよ、えらいひと。
ちなみに私がこれまでに道路で見た一番大きな落とし物は、キングサイズのベッドです。
引っ越し中の人が落とした(もしくは故意に捨てた)のだと思われますが、高速道路のフェンスにオブジェのごとく立てかけてありました。
そういうの世間では不法投棄っていうんだよって言ってやりたいですけど、考えてみれば高速道路でなくとも道端にソファや壊れたピアノが置き去りになっている光景を何度も目にしたことがあるので、アメリカ人のゴミ、ひいては粗大ゴミに対する概念はバグっているんだと思います。よくわかりません。
とにかく言いたいこと。道を舗装してくれ。
⑩ハッピーであれ
…ここまでいろいろシビアだの、金がかかるだの、ゴミだバグっているだなんだと言っておいてアレなんですけど、最終的には「自分がどうすれば幸せになれるか」ということを念頭に置いて行動している人が多い気がします、アメリカ。
いや、もちろん全員がそんなこと言いだしたら社会が機能しないだろうがという声が上がることくらいわかっていますよ。
「幸せになりましょう」とか言いはじめた暁には、新興宗教でももう少しひねった広告を打ち出すんじゃないかって感じの見出しですけど、「自分を大切にする」という考え方は大事ですよね。いくつになっても。
あ、それから年齢についても発見が。
アメリカで、自分で自分のことを「もう〇歳だから~」などと言っている人、あんまり聞いたことがありません。
日本で25歳くらいの女の子がよくSNSとかで平気で自分のことを「まじババアわろた」とか言っているのを見たり聞いたりしたことありますけど、あれ本気で言ってんのかって話ですよ。20代でババアなら50過ぎたら妖怪にでもなるんでしょうか。
自分で自分に対して自信を持つとか、自分が幸せだと思うことは何なのか。
無意味な我慢はせず、なんか違うと思ったらとりあえず先に進んでみる。で、それでも違うと思ったらそこからまたやり直せばいい。
そういう当たり前の大事なことを改めて考えるようになりました。
※かといって欲望に忠実になれって言っているわけではありません。
思慮分別はわきまえましょう。やりたいようにやるのと傍若無人無秩序は違います。
自信過剰の自己中心人間は嫌われますし、「やりたいことをやって生きる!」みたいなこと言いながら税金を滞納していたりするやつは本当に喝入れてやろうかって思います。
しかるべき責任と義務は果たしましょう。
まとめ
こうしてみると、アメリカって
- 〇〇であれ
- 〇〇するべき
- 〇〇しろ
- 〇〇じゃない、〇〇だ!
とか
は~めんどくさい国だな~~~~
…でもここまで言っておいてアレなんですけど、結構好きなんですよねアメリカ。
とはいえ西海岸の一部都市にしか住んだことがないので、これが東海岸や南部、中部ではまた違った見解になると思います。
それこそ東海岸のニューヨークなんかで暮らせばもっと毎日がせわしなく、慌しく過ぎていってこんな風に自分のことを振り返る時間すらないとすら思うかもしれないし、はたまた南部のルイジアナなんかに行けばアジア人というだけで物珍しい扱いをされたり好奇の目で見られるなんてこともあると聞きますから、アメリカは広いな~でっかいな~。
最初にアメリカと日本どっちがいいとか悪いとかじゃないって前置きをしておきながら、最終的にアメリカの悪口をめちゃめちゃに並べたような気もしなくはないですが、アメリカ、楽しい場所ですよ。
人生一度くらいは、こんな環境に身を置いてみると新たな発見があって面白いなぁと思う今日この頃です。
追伸
このあと私は、歯の詰め物が取れて片っ端から歯医者に問い合わせを入れる羽目になります。ある歯医者に問い合わせを入れたところ、
「外れた詰め物をもとの位置に戻すだけでは済まない。それとは別に検診、クリーニング、X線合わせて5万ほどかかる」とのご回答を頂きました。
ざけんなアメリカ。
おわりー!